GMOインターネットグループのGMOクラウド株式会社の連結会社で、電子認証サービスを展開するGMOグローバルサイン株式会社(代表取締役社長:中條 一郎 以下、GMOグローバルサイン社)は、電子機器に搭載するIoTプラットフォームの大手企業である韓国のJCSQUARE株式会社(CEO:馬松熏 以下、JCスクエア社)と、本日2017年1月31日(火)、セキュアなIoT環境の実現に向けて協業することに合意いたしました。
本協業では、GMOグローバルサイン社の電子証明書発行システムと、JCスクエア社の「axon PLATFORM(アクソンプラットフォーム)」を連携させ、IoTに特化したサービスを共同開発・展開してまいります。
協業の背景と概要
近年、あらゆるものがインターネットにつながるIoT(Internet of Things、モノのインターネット)の概念の広がりに伴い、モバイル・ウェアラブルデバイスをはじめ、産業機器や自動車、家電などさまざまなデバイスのIoT化が進みつつあります。こうしたIoTにおける通信は、柔軟かつ確実であるとともに、電子証明書によってデバイスごとのアクセス認証・制御(アクセスコントロール)や暗号化(SSL)によってセキュアな環境を確保することが重要です。しかし、IoT化の進行とともに、接続されるデバイスの数が大量となると、電子証明書の配布を自動化する必要が生じます。
こうした中GMOグローバルサイン社では、接続元のデバイスにインストール(配布)して所有者の身元を認証する「クライアント証明書」をはじめとした電子証明書を提供しています。「クライアント証明書」は、デバイスや用途に合わせた多様な証明書プロファイル(※1)に対応しており、またGMOグローバルサイン社の電子証明書発行システムは、1秒間に数千枚の発行が可能なため、IoTの製品・サービスに求められる柔軟性や迅速さ、量的ニーズにお応えすることができます。
一方、JCスクエア社は、あらゆる機器をインターネットにつなぐためのプラットフォーム「axon PLATFORM」を主に家電メーカーや電子機器製造業者向けに提供しています。「axon PLATFORM」を通してインターネット環境と電子機器をつなぐことで、スマートフォンなどの端末からコントロールできる高い利便性を持ったIoT環境を実現することができます。こうしたIoT環境に必要なプラットフォームを自社で開発する必要がないため、中小企業にとってはIoT市場参入のハードルが下がります。このように電子機器との接続、専用スマホアプリの開発などにノウハウを持つJCスクエア社は、IoT業界における優良なパートナーといえます。
この度GMOグローバルサイン社は、IoTに求められる電子証明書のシステムと、JCスクエア社の保有するIoTプラットフォームを連携させることで、IoT市場で求められている「デバイスへの電子証明書の配布を自動化」することを実現できると考え、JCスクエア社とセキュアなIoT環境の実現に向けて協業することといたしました。
今後、GMOグローバルサイン社のIoTの製品・サービスに対応可能な拡張性のある電子証明書発行システムと、JCスクエア社の「axon PLATFORM」と連携させ、IoTに特化したサービスを共同で展開してまいります。
(※1)証明書プロファイルとは、電子証明書内に記載されている情報のこと。クライアント側がどのように認証されるかを制御するための情報や設定値が記載されている。
協業の内容
IoT環境においては接続デバイスの数が大量となるため、電子証明書の配布を自動化する必要があります。GMOグローバルサイン社の大量かつスピーディな電子証明書発行が可能なシステムと、JCスクエア社の「axon PLATFORM」とをAPI(※2)連携させることで、「axon PLATFORM」を利用する家電メーカーや電子機器製造業者は、自社の電子機器へのクライアント証明書の自動配布(インストール)を大量かつスピーディに行うことが可能となります。まずはこの仕組みに関して共同で開発・検証を行い、2017年3月末を目処に「axon PLATFORM」の追加機能として家電メーカーや電子機器製造業者向けにご提供する予定です。
(※2)自らのソフトウェアの一部を公開することで、他のソフトウェアと機能を共有できるようにすること。
JCスクエア社とは
JCSQUARE株式会社は、2005年に設立された韓国・ソウルに本社を置くIoTプラットフォーム企業です。世界3位のモバイル市場といわれる韓国において、IoT業界のリーディングカンパニーとして、日々の生活やオフィス環境を快適にするためのシステム構築を行っています。あらゆる機器をインターネットにつなぐための同社のプラットフォーム「axon PLATFORM」を利用したホームコントロールサービス「nexHOME」や、小売店向けの店舗コントロールサービス「nexSTORE」などを展開しています。
「GlobalSign」とは
世に電子認証サービスが登場し始めた初期段階の1996年にベルギーでサービスの提供を開始し、ヨーロッパで初めてWebTrustを取得した認証局です。ベルギー政府関連機関への数多くの実績を持ち、eID※(BELPIC)をはじめとするベルギー電子政府プロジェクトの最上位認証局である、ベルギー政府認証局への認証を行っています。2006年にGMOインターネットグループにジョインし、政府レベルのセキュリティを、日本をはじめワールドワイドに販売展開しており、SSLサーバ証明書をはじめとした2,500万枚の電子証明書発行実績と、政府関連機関や大手企業へ多数の納入実績を持ちます。
また、『CABF(CA/Browser Forum)』、『Anti-Phishing Working Group』に参加し、電子証明書市場のリーディングカンパニーとして積極的な活動を行っています。
※eIDとは、ベルギーの電子政府プロジェクトの一環として始まった国民ID カードプロジェクト。12歳以上のベルギー全国民に対して電子証明書入りのIDカードが配布される。
参考:GMOグローバルサイン社のIoTへの取り組み
2016年1月29日 | インダストリアル・インターネット・コンソーシアム(IIC)に加盟 試験用プラットフォーム設計に参加 |
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2016年3月10日 | GMOグローバルサイン社、インフィニオン社、米・ニューハンプシャー大学 協同プロジェクトを開始 |
2016年4月15日 | 「グローバルサイン IoTプログラム」を開始 |
2016年5月24日 | GMOグローバルサイン社、セゾン情報システムズ社とIoT分野で協業 |
2016年12月20日 | GMOインターネットグループの2社と、セゾン情報システムズ ブロックチェーンとIoTを活用した実証実験を実施 |